大阪玩具・人形住吉講

2017/02/27

第二章 住吉大社と石灯籠(3)
(三)住吉大社の特殊な神事
最初に述べたとおり住吉大社の御祭神は住吉大神(底筒男命、中筒男命、表筒男命)及び神功皇后(息長足姫命)の四神と説明したが、この神々が住吉の地に鎮座されたのは「帝王編年記」に神功皇后摂政11年(西暦211年)とあるため、今年は鎮座されてから1790年目に当たり、10年後には鎮座1800年祭が挙行されることになっている。住吉大社本殿四棟並びに摂社大海神社本殿は「住吉造」として、伊勢神宮の「神明造」、出雲大社の「大社造」と共に神社建設史上最も古い形態を今日まで伝えており、明治35年に国宝に指定され、戦後も昭和28年に再度国宝に指定されている。
次に住吉大社の特殊な神事を紹介する。1月4日に「踏歌神事」があり、祝詞奏上の後での福の餅が撒かれるが、この餅を得ると福が授かると言われている。1月7日には、「白馬神事」があり、本宮等を廻る神馬の白馬を見れば年中邪気を除くと言われている。1月13日には、「御結鎮神事」があり、年の始めに当たり神職により悪霊を退散させる弓による射礼が行われる。
5月初の卯日には「卯の葉神事」があり、石舞台において舞楽が奏せられている。6月14日には有名な「御田植神事」があり、第一本宮で五穀豊饒の祭典後、御田で八乙女の田舞・風流武者行事、棒打合戦、住吉踊、田植踊等が行われる。夏祭りは「住吉祭」と称され、「6月末の愛染さんで始まって8月初めの住吉さんで終わる」と言われるように、大阪の夏祭りの最後を飾るにふさわしいお祭りになっている。
7月の第3土・日曜日に「御輿洗神事」があり、海水を汲んで御輿を洗うのである。7月30日は宵宮ではじまり、31日は例大祭がある。有志による住吉踊りやオッペケ踊りの奉納もある。8月1日は堺市宿院の頓宮に神幸し、頓宮祭並びに荒和の「大祓神事」が行われる。
10月17日には「宝之市神事」が行われ、神功皇后が三韓から貢ぎ物をはじめ百貨を庶民に頒たれたという故事によるもので、わが国の市の始まりであるといわれ五穀豊饒・商業繁栄を祈願する祭とされている。







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